木魂 kodama 2005 早川直彦展
尾張徳川家の林政250年の証
2005/5/24〜7/24  名古屋徳川美術館
展示によせて
樹木は、数百年もの風雪に耐え、厳しい自然に育まれた宝です。
私が生まれ育った岐阜県付知町に今も残る尾張徳川家御用林より産出した
樹齢500年に及ぶ檜・欅・栃は、その木目・気質が極めて優れていた
ことから、江戸城本丸・西の丸、駿府城、名古屋城、姫路城、京都東本
願寺・南禅寺、江戸増上寺客殿・・・等々の御用材に使われており、
伊勢神宮の式年遷宮に際しては、今も12,000本の原生林が息づく
この広大な付知の森よりご神木が奉納されております。
私は幼い頃より、この尾張徳川家御用林の力強い木々の姿に、憧れ
と畏敬の念を抱き、生涯の仕事として木工の道を選ぶに到りました。
この仕事に携わって35年になる今でも、清謐にして稟とした巨木に向
き会うと、身が引き締まる思いと共に、創作意欲が奮い立たされます。
今回の作品は、尾張徳川家の御用林に育まれた樹齢450年以上の貴重
な檜・欅・栃材を中心に製作したものであり、徳川美術館の格別のご配
慮を頂いて、これらの作品を、ゆかりの深いこの会場で皆様にご覧頂け
ることは、付知の樹々と共に歩んできた私にとっての望外の幸せと存じます。